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殺人鬼フジコの衝動


殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子
徳間書店 (2011-05-07)
売り上げランキング: 11,965


○久しぶりに小説読み切りました。
 『殺人鬼フジコの衝動』という物騒なタイトルのミステリー小説です。


○この作品は作中小説の2重底構成となっており、読者は架空の小説家が出版した本を読む事になります。
 正直あとがき読むまでその事頭からすっぽり抜けてたのですけど、まあ問題は無いです。


○物語の主人公である殺人鬼フジコは、幼少期に強烈な虐待を受けたというキッカケがあったものの、そこから普通の人間が、普通に巡るであろう子供時代を経て、傷つき歪んでいきます。
 この普通さに上積みされた殺人の切っ掛けの書き方がとても上手いと思います。もしかしたら誰だって間違っていれば彼女のようになりえたのかもしれないという恐ろしさがある。


○この小説に『正しい』人は誰もいないのだけど、それでもチツジョだっているために日常を営んでいるという書き方にはとても気に入りました。その陰鬱な考えに共感してしまいます。


○ミステリーの構造として、まず一段階目の、小説の中の小説という部分でむむっと唸り、そしてあとがきを読むことでまたしても驚かされるという構成になっています。
 ただ伏線のすべてが噛みあう感覚は残念ながら得られなかったと思います。でも読後感は良い。


○ちょっとだけネタバレするならば、ラストのあとがきで個人の殺人がそれより大きな何らかの意図による殺人へとランクアップされるので、底知れぬ恐ろしさを感じる事が出来るのだと思います。
 ただしかし、作中の殆どを主人公フジコの劣等感や抑圧された感情に費やしているので、それを最終的に別のシステムとしての殺人だと飲み込むのは無理が見える気はする。


○子供の頃の、無邪気では無い子供であるがゆえに歪な人間関係を楽しめる人にはオススメだと思います。



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