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第9地区


第9地区 [DVD]
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○創作物で描かれる宇宙人、エイリアンという存在は大抵の場合神秘や大いなる存在のメタファーとして作るものなのですが、この『第9地区』に出てくるエイリアンは貧困と差別のメタとして描かれています。
 その最下層に居る者たちが、SF武器を持って反抗するというテーマ性とわかりやすいエンタメのバランスが良い秀作なのでとてもオススメですよ。


 ○主人公はエイリアンたちのスラムを整地する側の人間だったのですが、とある液体を浴びる事で身体に異変が生じ、エイリアン通称「エビ」へと身体が変化していきます。
 それが元でエイリアンの武器を使う事が出来るようになり、軍事企業に解剖されそうになって逃げ出す事になるというあらすじ。
 主人公の肉体の変化の過程がなかなか痛々しい物で直視するには辛いかもしれません。とにかく主人公が酷い目痛い目に会う映画なので、それもなかなか辛い。


○エイリアンの人権を思うままに踏みにじる立場から、踏みにじられる立場になって生まれる感情や仲間意識などなどテーマに沿った描写はきちんとしています。
 そしてそれらを踏まえた上での、後半のロボット戦が良い! エイリアンの超技術がふんだんに使われたそのロボットはとても強い! 主人公を追ってきた兵士たちをばったばったとミンチにしていく爽快感! ここまで溜まっていたうっぷんを晴らすかのような活躍です。


○このようにテーマ性とエンタメが高い次元で融合している映画なのでとてもオススメです。ラストの切ないワンショットなど、楽しいだけじゃなく観た後に残る物があるのは良い映画の証拠。
 ちょっと描写がスプラッタに近いのが問題ではあるのですが。そういうのが苦手な人は注意。


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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら


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○人は見た目だけで判断してはいけないという、まるで道徳のようなテーマをバカバカしくサイコホラー映画のお約束を踏まえて教えてくれるコメディ映画です。
 コメディではあるのですがスプラッタなシーンがあるので視聴にはご注意を。


○13日の金曜日を始めとしたスプラッタホラー映画を観たことある人ならば楽しめると思います。私は割りとそれらの映画を観ていたので大爆笑でした。
  主人公2人は普通の、というかちょっと怪しげな田舎者の大男なのですが、その風貌から山に遊びに来ていた大学生グループにサイコキラーだと誤解されてしまいます。そして誤解の積み重ねの果てに大学生たちが事故で死んでしまい、それが主人公たちの所為にされてますます深みにはまっていくというのが前半の流れ。
 後半は主人公たちは誤解を解こうとするのですが、大学生側に本当にサイコキラーの素質がある奴が居てそいつが嫉妬と復讐心に狂って主人公側が追われる立場になるという、関係性の逆転が起こります。


○このようにワンアイディアだけのコメディに収めずに、後半から流れを変化させる事で観客を飽きさせないように心がけているという、とても良く考えられたお話です。
 テーマ的にも男同士の友情だったり、見た目だけでは判断しない愛だったりが物語の最後に心を温めるような物語に収束しているのが心地よいです。


○ヒロインも可愛らしく、いい女の子だなと思えるのも良いポイントだと思います。
 すべての部分が高品質にまとまっており、コメディだからってバカにさせないというような気概さえ感じる映画ですので、とてもオススメです。
 スプラッタに耐性さえあればとても楽しめると思いますよ。


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シュガー・ラッシュ


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○ゲームの中の世界を舞台にした、ディズニーの3Dアニメーション映画。
 所々に出てくるレトロゲームネタがクスリと笑わせる良作です。クッパもベガも出てくるよ!


○版権キャラはほとんど客演みたいな物ですが、こうしてちゃんと映画に出てくる所を見るといろいろ思う所があります。ほとんどが日本発のキャラクターばかりなので、あの頃は本当に第一線を走ってたんだなと再確認出来ますね。


○物語の筋としては、レトロゲームの悪役キャラと最新レースゲームの不具合キャラが、自分たちの不遇な立場を変えようと共に頑張っていくお話。
 二人が少しずつ友情を育んでいくさまはとても微笑ましく、楽しくみれます。


○最初の方はゲームの世界を行ったり来たりするのでお話がバラバラになっていて、統一感ないなーと思ってみていたのですが、後半に今まで全ての伏線が収束していく感覚は、とても爽快感がある物でした。この良質な脚本はなかなか出来る事じゃない。
 冒頭ゲームの説明でなされた悪役ラルフはマンションの住民によって屋上から持ち上げられ、下に落とされるという流れが、ラストでそのおかげでゲーム機筐体の画面の向こうが見えて、ヒロインの活躍してるゲーム画面を見ることが出来るとか、そこに落とし所を作るのかと驚きました。



○孤独で皆から邪魔扱いされている者たちが身を寄せ合って何かを成し遂げようと頑張っているのを観ると涙腺がゆるみます。
 ヒーローに成りたがっていた主人公ラルフが、ヒロインのために壊すだけの自分という存在を受け入れる所なんて、本当に感動できる場面ではないでしょうか。



○ゲーム好きにはもちろん、単純な映画としてとても良く出来ている作品なのでオススメです。
 エンドロールのドットアニメーションまで楽しめる、まさに骨までしゃぶりつくせるぐらいの一品ですよ!

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ネイビー・シールズ


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○アメリカ最強とか言われちゃう部隊、シールズの現役隊員をキャストに据えた映画作品。
 売りにしているのは主にリアルさで、戦術とか銃の取り回しとかちゃんとしてますよという作品です。


○シールズに対する的はテロリストなのだけど、まあ現代最新鋭の装備と厳しい訓練を積み重ねてきたシールズが民兵ごときに負けてたらそれこそリアルさが無いので、ばったばったと倒されていきます。
 他の映画みたいにRPG-7持ってるからといってヘリなんて落とせない。車両に乗っていても重機関銃で一瞬で爆破解体されるし、ちょっと密集陣形取ってると軽機関銃の掃射で一掃される。なんと圧倒的な武力……っ!


○お話の筋はとても単純です。多分ディティールのリアルさに加えて複雑なストーリーだと、観客こんがらがると思ってのことなのでしょうか。それは間違っていない気遣いだと思います。


○拉致された工作員の救助→自爆テロの計画を知る→爆弾の製造所の制圧→爆弾ベスト着込んだ密入国者の制圧
 と分かりやすくお話が進むので混乱しようがないよ。


○戦闘シーンのリアルさと圧倒的武力のためにどうしても画作りが地味になっているのですが、シールズの働きを映像として観る事が出来る稀有な映画であると思います。
 ただ軍からの協力を受けているためか、不自然に思う程に民間人を誤射しないなど、出来るだけ綺麗に描こうとしている部分が気になる人には気になるかもしれません。無垢な犠牲者が存在しないというのは、ちょっと作り物臭く思えてしまうのでした。


○FPS好きな人には多分オススメ。
 あと映画でヘリ落ちすぎと不満を持っているチョッパーファンの人にもオススメ。



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WALL・E


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○PIXARの作った3Dアニメーション映画。アニメーション表現の極限とも言える、無機物に個性と感情表現を付与するという部分に置いてはもはや職人芸にさえ達しているのがスゴイ。


○環境汚染が進み人類の居なくなった地球で、一人ゴミ収集ロボットであるWALL・Eが外宇宙に居る人間たちが送り込んだ植物探査ロボットEVEと出会い、彼女を追って技術の進歩と共に堕落した人類の生活圏に入って……というお話。
 主に描かれるのは「誰かと手を繋ぎたい」というシンプルでありながら孤独の存在には不可能なテーマ。WALL・Eが一体どれぐらいの時間を孤独に過ごすことでその欲求を生みだすのに至ったのかと考えるだけでお話ひとつ作れそうではある。


○キャラクターたちは本来無機物なロボットたちであるにも関わらず、動き(アニメーション)によって感情を表現しているのがスゴイ。
 WALL・Eはラスト付近で初期化されてしまうのですが、その時は逆にロボットに見えた。これ逆説的に人は何たるか。感情とはどう表現されるのかという事をしっかり分った上で絵を作ったと高らかに宣言するような物で、制作スタッフのプライドのようなものさえ見て取れました。


○物語の読後感も良く、ラストまで楽しく希望を持って観ることが出来ました。今更地球に人類が戻ったって、いろいろ大変なこともあるんじゃないのという大人の水を差すような意見を、スタッフロールで怒涛に流れる「未来」によって打ち砕いているのも爽快感があった。困難であれど、打ち破れぬ事はないと堂々と言い切られると、捻くれた大人は何も言えなくなるのです。これを『暴力的ハッピーエンド』と名付けたい。


○特に好きなのがラストの演出で、古代人の壁画のような物で人類たちのこれからが描写される所が気に入りました。
 おそらく文明の再構成を描いているのでしょうが、徐々に壁画のレベルが上がっていき、最後にはコンピュータグラフィクス(ドット絵)に行き着くというのはとても粋。コンピュータによるアニメーションを作成しているPIXARだからこその、私たちが作っている物は過去から続いてきた文化そのものだと言いたげにも思えました。


○脚本もアニメーションも高品質に作られている作品で、テーマ性も抜群なので子供向けと侮らず、観て欲しい一本です。
 とても大好きな映画が一本増えた事に私は嬉しいです。

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プレッジ


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○定年による引退直前に起こった少女殺人事件の犯人を捕まえると被害者家族に誓ってしまったために、引退後の生活を費やして殺人犯を追う元警官を主人公にした映画。
 テーマは「報われない正義がある」というとても虚しく悲しいお話なので、すかっとするクライムムービーを期待して観る人には注意が必要です。


○連続殺人犯が居ると思わしき地域に移住し、人通りの多いガソリンスタンド店を購入し、次に殺人犯が狙いそうな少女に接近するという事を主人公は何の呵責もなくやっていきます。それは全ては悪しき殺人者を捕まえるという正義のためであって、それによって囮の少女とその母親の気持ちを裏切るのだという事にさえ気付いていません。
 ほんの僅かの時間であった少女と母親とのまるで擬似家族のような心やすらぐ一時さえも簡単に利用していく主人公には、ものすごい執念を感じました。それほどまでに追い詰めなければ、正義を貫く事も難しいのか。


○物語の結末は、連続殺人犯と思わしき人物は車の事故で誰にも知られぬ事無く死亡。
 囮の少女の母親は自分たちを利用した主人公を狂っていると言い放ち、元同僚たちは主人公はどうかしてしまったのだと思う始末。結局囮の現場に現れなかった犯人のために主人公の正義はくすぶり続け、ボロボロになったガソリンスタンドで酒を飲みながらぶつぶつと戯言を繰り返すというカットで終わっています。
 まさに報われない正義。すっごく凹むラストです。


○映画を観ている私たちの視点からならば主人公の行動は上手く行っていたわけだけど、それを知る者は劇中に居ないというのが何とも物悲しさを感じさせる作りになっていますね。こういう無常さを感じさせる映画は嫌いじゃないです。


○とてもハッピーエンドとは言いづらい結末を迎える映画ですので、観られる方はご注意ください。
 でもとても良く出来た映画だと思いますよ。オススメです。


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コリン LOVE OF THE DEAD


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Happinet(SB)(D) (2011-08-02)
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○世の中には掃いて捨てるほどゾンビ映画が溢れているわけですが、それだけ数があると作り手達はありとあらゆる方向で他の映画との差別化を図ろうとします。
 個人的にはゾンビ映画の見どころはそういった製作者側の工夫にあるのではないのでしょうか。一生懸命出したアイディアで面白くしようという気概は、もの作りの基本のように思えます。



 ○それでこの映画、『コリン LOVE OF THE DEAD』は今までのゾンビ映画の根底を覆し、ゾンビ側の目線で物語を描いた作品になっています。開始10分足らずでゾンビになってしまった主人公は荒れ果てた街を歩きまわり、もはやゾンビよりも暴力的にさえ思える人間たちに遭遇する事になります。



○最後は映画開始時に居た家へと戻ってきた主人公ゾンビには何だか切なさを感じます。タイトルの死の愛とはどういう事なのか考えさせられますね。



○と、ここまでは褒めましたが、全体的なクオリティとしてこの映画には足りない部分が多すぎます。
 まずこの映画、低予算である事を謳っているのですが、いくら映画にかけた金が少ないからって、それを観る観客は映画チケット代やレンタルビデオ代が割引されるわけじゃないので、そこを宣伝されても何の関係も無い事なのでやめて欲しいです。
 低予算とは思えない映像出しているかと言われれば、そうとは言えないので余計にそう思います。



○撮影機材がカメラひとつしか無いので何が起っているのか分からないカットは賛否分かれますね。多分ありのままを綺麗にとってしまうと、すごく粗が目立つようになると思うので。手ブレを意識した揺れる画面だからこそ、まだ形となっている可能性があります。



○脚本は完全にあってないような物ですね。基本的にゾンビ側から見た人間性の恐ろしさみたいな物を描いていると思うのですが、まだまだお話的に練れただろうと思います。良いアイディアを思いついたものだから他のすべてがそれを通すためにおざなりになってしまうというのは良く見かける事なのですけど、どうせならきっちりと細部までこだわって作って欲しいですね。とても残念に思います。



○総評的に、ひとつのアイディアは尖っているので、それを斬新だと思う人は受け入れてくれるかもしれませんが、全体的な完成度を愛する人にはちょっと勧めづらい映画であると思います。
 まあ殆どインディーズのムービーなので尖った部分あればそれでオッケーという世界ではあるのですが、だからと言ってあんまりよろしくない部分に目をつぶってもしょうがないとは思います。

 あまりオススメしません!!(断言)

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海辺の家


海辺の家 [DVD]
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○末期がんと診断された父親が離婚と共に離れていた息子と共に家を作る映画。



○私は映画を評価する時に脚本というか、一本の映画でしっかり全てがカッチリ固まっている物に対してとても甘くなります。
 映画内で出された全ての事象が伏線として処理されて残るものなんて何ひとつもないぐらいでスタッフロールを迎えた日には、もうスタンディングオベーションですね。
 つまり、この映画もそういうしっかりしたお話の映画です。



○いわゆる泣かせにくる映画ではあるのですが、その表現はとても控えめで鼻につく事はありません。
 グレた息子が父親の病気を知って泣き崩れる所なんて、嫌らしい監督だったら役者のアップにしたがる所だけど、この映画では若干カメラを引いて役者の振る舞いを見せる事で感情を表現しています。そう、泣く時は全身で泣くものなの! 顔だけ写したって意味ないの!!



○元あった家を壊すというのは今までの親子としての関係性を壊していくのと同意義で、そして同じ場所に新しく家を建てるのは新しく絆を築いていくという事だったのでしょう。
 元は父親と息子の関係の修復作業だったはずのそれらが、再婚済みの元妻の家庭、隣家の家庭などに波及していくのは観ていてとても気持ちのよいものでした。



○ラストの作りなおした家の行方は予想出来ない展開であったものの、むしろ収まる所に収まったのだと思わせる説得力があり、鑑賞後の爽快感をひとしおな物にしています。
 こんなに綺麗な終わり方する映画はなかなか無いです。素晴らしい。



○とにかくお話としてとても優れた作品ですので、観る機会があるのであれば是非鑑賞してもらいたい映画です。
 乳首は出てこないけど、それなりにエッチなシーンがあるので家族で観る時はお気をつけて!!


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アトランティスのこころ


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○11歳の少年とまるで全てを見通すかのような不思議な振る舞いをする老人との心の交流を描いた映画です。
 特筆すべきは人が共通意識として持っているようにさえ思える煌めく少年時代の、美しさと儚さを描いた作品だということでしょうか。経験したことないはずなのに懐かしく、どこか気恥ずかしくなるような光景を撮る事に成功していると思います。


○まず登場人物の設計なのですが、主人公であるボビー少年には父親が居ません。これ大事。その設定があるからこそ老人との交流に説得力が生まれるというか、亡き父親を重ねているのねと理解できるというか。小技ですけどこういうのは大事ですよね。


○不思議な老人テッドは自分は『何者か』に追われているのだと少年に話します。彼の語るその言葉には何の説得力も無い、老人のたわごとだと切り捨てても良いのですが、この映画が少年目線で描かれているのでどこか捨て置く事も出来ないお話になっています。
 そうした、外から来る何らかの来訪者によって今の平穏の世界が壊されてしまうのではないかという子どもがどこかで感じる不安感が言葉として現されたような設定に思えます。


○ボビー少年の淡い恋模様もとても素敵に描かれています。観覧車の上でキスとかそんな素敵な恋なかなか出来るもんじゃないよね。それを老人テッドが前もって示唆しているのも幻想的で美しい。
 きっと彼女とのキスは生涯で一番素敵な物になると子に向かって言えるような大人になりたいものです。


○とにかくこの映画は煌めく少年時代の輝きと、それがいずれ何らかの出来事によって一瞬で変わってしまうのだという儚さを描き切っている作品です。
 寂しくも充足した少年時代を送る事が出来た者は幸福だなと感じます。とても素敵な映画ですのでオススメですよ。


○見終わって調べてみたらスティーブン・キングが原作だそうです。
 とても脚本力のある映画なのでそう言われて納得。


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クレイジーズ


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○ゾンビ映画というのは映画界にたくさん溢れております。これは人権問題を軽々と越えてゴア表現が出来るという事もあっての事だと思うのですが、たくさん溢れているが故に、ゾンビ映画は多種多様な試行錯誤をして他の映画との差別化を図ったりするわけです。そういう小手先の工夫を楽しむのがゾンビ映画の楽しみ方であるのです。作り手のあれこれを考えて観て楽しむという、ちょっと変わった物の見方が出来るのがゾンビ映画ですね。


○で、問題なのがコレ。『クレイジーズ』。
 謎の化学薬品を積んだ飛行機が貯水池に落ちて、それを飲んだ人々がおかしくなっていくというのが基本的な流れ。
 何が問題なのかっていうと、この映画は『ゾンビ』だとはヒトコトも語っていない所。人がおかしくなったとしか言ってない。つまりは人が狂ったというだけの話であって、死人が蘇ったとかいう事ではない。人が、人を殺し始める映画。


○いや、コレダメなんじゃないの? ゾンビ映画がなんで流行ったかというと前述の通り、死体には何してもいいだろうというような表現のし易さがあってのものだったのに、それをちゃぶ台返すかのような設定だと思う。もちろん脳も腐ってないので、狂い始めた人は普通に銃とか使ったりします。知能の低下もばらつきがあるので、人対人の世紀末バトルロワイヤルになってる。



○ゾンビより結局普通の人間が恐ろしいというのはどの映画でもありがちなお話でありますけども、この映画は途中の段階をすっ飛ばしていきなり普通に人間が恐ろしいという話にしているので、何とも思いません。
 人間が人間を恐れるなんて、それこそ普通の社会で語られている事なので、それをあらためて直接伝えられても何も思わないのと同じ事だと思うのです。ゾンビというクッションがあったからこそ、理解できた事象なのだと思います。だから肝心な部分を中抜されても、何も感じない。



○斬新さを狙ってゾンビという設定を使わなかったのであれば、それは大きな間違いだったのでしょう。前述の通りいろいろな便利さがあってゾンビという設定が親しまれてきたわけであって、それを取っ払ったからと言って特別な映画にはならないのです。
 


○ここまでボコボコにしといてネタばらしすると、これは初代『ゾンビ』を作ったロメロ監督のゾンビ以前の作品、『クレイジーズ』のリメイクなんですよね。
 つまりゾンビが生まれる前に作られた作品。だからゾンビという設定が適用されなくて当然というわけでした。
 私も調べて初めて『クレイジーズ』の存在を知りました。


○まあだから楽しめるのかって言ったらまた別の話なんですけど。
 語った通り今親しまれているゾンビという設定が無いゾンビ映画なので、これを楽しむのはちょっと難しすぎるのです。ゾンビという設定がいかにエンタメ映画に革命をもたらしたかと再確認するためには良いかもしれませんが、そのためにわざわざ2時間近くの時間を無駄にする必要も無いと思います。



○まあつまり、歴史的な価値を無視すると観ても楽しめない映画かなと。






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